こんにちは。前回に引き続き、小説紹介をしていこうと思います。
第2弾は窪美澄さんの本から。
それでは、どうぞ~!
勝手に作家紹介〈窪美澄編〉
窪美澄さんの特徴は、何と言っても多彩な感情表現。
恋愛の話がメインだけれど、それだけじゃない!
登場人物は、みんなどこか満たされなくて、何か傷を抱えている。社会に取り残されてしまうような人、簡単には話せない過去を抱えた人など、、、
苦しくてしんどくて、それでも生きている。
満たされなくてもがいて、それでも日々は続く。
そんな日常を、そんな恋愛を、どこまでも深く繊細に描く。
正直、読み終わりにスカッとする話はあまりないです。人の生活と同じで、何かが劇的に変化したり解決したりするようなことはなく、結末もそのように描かれてはいません。
それでもあなたにもある、心のどこか痛いところを置いてけぼりにはしない。全てが同じではなくても、登場人物たちの抱える痛みに自分の気持ちを重ねることができる。そんな小説がたくさんあります。
次に紹介する「ふがいない僕は空を見た」以外にも、介護士の若者が登場する「じっと手を見る」、田舎で育った女性が登場する「晴天の迷いクジラ」もとても好きな作品です。
また窪美澄さんの作品はいくつか紹介しようと思います。
ふがいない僕は空を見た/窪美澄
【最短あらすじ】
主婦と関係をもってしまう高校生とそのことを取り巻く友達、バイト仲間、親などなど、引き返せない・誰も変わってくれない過去や環境を持ちながら生きている人たちの話。
【感想】
面白かった。感慨深い本だった。
最初の2人の行為の描写がリアルで、ちょっともったりした気持ちになるけど、あれも後に必要な話だと分かる。
最初は何の話だ?って感じだけど、登場人物がどんどんバトンタッチして、みんなそれぞれの環境や過去を抱えている。主人公ではない人もすごく深くて、特に市営団地の子の生活は読んでいて本当に色々な感情にさせられる。
それぞれの話の人たちが主役級に深いからまじで今後が気になるし、最後に誰も伏線回収しなかったのが正直残念~!視聴者想像任せなの残念~!ってなる。でもそう思うくらい面白かった。実際の人も、そこで話が終わるわけじゃなくて、生活が続いていくからこそ伏線は回収しなかったのかなと思う。それでも!窪美澄さんの描く伏線も読みたかったな~という欲張り志向(笑)
サイコパス夫姑を持つ妻、不倫する高校生、それが好きな女子高生、その友達で貧困家庭でも勉強頑張る子、勉強教えてくれたけど人には言えない闇をもつ人、その母の過去と今。全部深くてでも考えさせられる。面白かった!